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伊丹さんの恋【番外編】「scramble!」−『相棒』二次創作小説


『相棒』のキャラクターを使用して書いておりますが、本編とは全く関係ありません
  cometikiオリジナルストーリーです (c)テレビ朝日・東映
  
  しかも今回はLOVE要素よりも、趣味に走っております。
  一部の方しか楽しめないかもしれません・・・。関係各所の皆さま、ごめんなさい(>人<)

※何気に連載モノ 『相棒 ふたりだけの特命係』TOPの下に作品がまとめてあります



土曜日。

ショッピングセンターの入口前は、カップルや家族連れで賑わっている。
と、いっても。
まだ午前中だから、ピークはこれからなのだろう。

買ったばかりのワンピースが、どう見えるのか心配で、千花はショウウ
インドウの反射を利用して、何度も自分の全身チェックをしている。
それに、
今日は美花のススメで薄くお化粧もしていたりするから、余計に落ち着か
ない。



 「ガシッ」



そんな音がしたように、千花の右腕は力強い大きな手で掴まれた。
伊丹かと思って振り返ると、その手の主は千花の見知らぬ男であった。

紫色のスーツ上下に、白のシャツ(薄紫色のストライプ入り)、濃い紫地
に柄のネクタイとオールバックにサングラス・・・どう見ても、普通のサラリ
ーマンには見えない・・・いや、”フツー”なのかも怪しい男だ。

その男が、物も言わずに腕を掴んでいる。

”変態”

という言葉が、千花の頭をよぎり怖くなった。



 「な、何ですか?は、放してください!」



身を捩り、手を引こうとする千花に、男は「にかっ」と笑ってみせる。

 「やぁっと見つけたのに、その態度はないっしょ?」
 「は?」
 「保護しますから、安心して!」
 「あの・・・」

「何の事ですか?」と澄んだ目で問い掛けてくる少女に、男は「はて?」
と首を傾げて、上着のポケットを空いた手で漁り始めた。





 「とぉ〜〜〜うっ!!」



遠くから奇声が近付いてきて、千花の腕に絡み付いていた男の手が
切って離された。
手首を直撃された男は、痛みに顔を顰め、もう一方の手で擦った。
瞬間、
奇声の主は、千花を自分の背中に隠す。

 「あ・・・」
 「大丈夫か?」

グレーのスーツ上下に、シンプルな白シャツ。青地にストライプのネクタイ
を締めた伊丹が、肩越しに声を掛ける。
千花は、小さく頷いた。



 「いっ・・・てぇな、コラ!何すんだよ!!」



キレた男はガンを飛ばすべく、サングラスを取った。



 「な・・・か・・・?!」
 「・・・亀山さん??」



男の素顔に呆然となる、伊丹と千花。
男は「あ゛ん?」と吠えると、伊丹ににじり寄った。

 「何やってんだよ、カメ!それに、その格好―・・・」
 「お前こそ何だよ!つーか、そのコ!こっち寄越せ!」

伊丹の言葉を遮って、千花に手を伸ばす男の手を伊丹は容赦無く叩く。

 「だから、勝手に触ってんじゃねーっつーの!」
 「あー!!また叩いたな!?もぉ怒った!公務執行妨害で逮捕すっ
 かんな!!」
 「あ゛ぁっ?!やれるもんなら、やってみやがれ!!」

伊丹と男はまさに一色触発の状態で、顔を近寄せた。
そこに「パン!パン!パン!」と軽快な、手拍子の音が響く。



 「ハイ!ハイ!ハイ!亮!なぁ〜にやってんだ、お前?」
 「本城さぁ〜ん!!聞いてくださいよ!コイツが―・・・」



薫そっくりの”亮”という男は、犬コロのように”本城”の元へ駆け寄った。
そして必死に経緯を説明している。
時折視線を伊丹と千花に向ける、その男。
ベージュ色のスーツの上下に、白シャツを着崩し、中にハデとしか言いよう
の無い柄のベストを着ていた。これまた、”フツー”じゃない雰囲気だ。

雰囲気なのだが・・・

伊丹と千花は、本城の顔に釘付けになっていた。



 「あ〜・・・そう」

亮の説明を聞き終えて、そう呟くと本城は伊丹と千花の前に歩を進めた。
その後を、どこか自慢気な亮がついて来る。

伊丹と千花の前に一定の距離を保って止まると、「パッ」と顔を上げる、
本城。



 「すみませんね。ウチの駄犬が」



その言葉に「ガーン」という表情で「本城さん!」と縋りつく亮を、「だっ!」
と本城は一喝する。



 「す・・・杉下、警部?」



続いて現れた瓜二つの顔を前に、伊丹が信じられないとばかりに声を絞り
出す。

 「スギシタ?」

本城は全く覚えが無いという表情で、その名を復唱した。

 「いや・・・警視庁特命係の杉下右京!!」

伊丹は思わず本城を指差し、声を荒げた。
そんな伊丹に動じもせず、本城は両手を広げおどけて見せると、ほがらか
に笑った。

 「残念だけど、別人だなぁ。俺の名前は、代官署の本城慎太郎」

本城は亮を見て、自己紹介を促す。

 「同じく、藤村亮だっ!」

「ガルルルル・・・」と今にも唸りだしそうに、亮は言って肩を怒らせた。



 「本城さんと・・・藤村さん・・・」

 「ああ。ゴメンね、お嬢♪デートの邪魔しちゃって」

まだ別人だと信じられない顔の千花に、本城はウインクする。
思わず赤面する千花。
伊丹も何だか、動揺してしまう。

 「邪魔してんのはね、コイツですよ!」

本城の後から出て、伊丹に掴みかかろうとする亮の手を、本城が制す。



 「本気で言ってんの、お前?」
 「はい!」



瞳を輝かせる亮を見て、本城は深い溜息を吐いた。



 「亮。前から言おうと思ってたんだけどさぁ」
 「はい?」と、はうはう
 「視力悪いんじゃないの?」と、突き放すように
 「何言ってんスか!メチャメチャいいですよ、俺!ほら、あそこの信号の
 向こうの看板の文字だって読めますモン!あ・・・お・・・」

亮の言葉を遮って、「PiPiPi・・・」と携帯が鳴る。
本城はガンマンみたいなポーズで、ズボンから取り出すと「本城!」と独
特の口調で名乗った。



 「・・・っとかよ、ホントかよぉ〜♪よしわかった!実とカズはそのまま彼女
 を保護して署に戻れ!」と、携帯を仕舞う
 「本城さん!」
 「実とカズが、例の写真のコを見つけたそうだ」
 「っしゃあっ!」

本城の言葉にガッツポーズする、亮。

 「そんな訳で、ホントごめんね。ご両人。ホラ!亮!」
 「スンマセンした!」

亮は90度で一礼すると、すぐに頭を上げて本城を見た。

 「でも、あの2人に先越されるなんて、”代官署最強コンビ”としては悔しい
 っスね」
 「何言ってんだよぉ〜♪彼女からホシの情報GET出来れば、ラッキーラッ
 キーラッキー♪ってもんだ!」
 「そうスね!」

2人は踊るような足取りで、その場を後にした。



伊丹と千花は相変わらず、狐につままれた顔で立ち尽くしている。

 「な、何か・・・楽しそうな人達だったね」
 「あ、ああ。そうだな」





世の中には自分に似た人が3人は居るってんですから、こんな出会いも
アリでしょう!!


                                     - END -



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● 言い訳という名のあとがき ●

今回ばかりは、ちと言い訳。
ドラマ『刑事貴族』をご存知無い方には、「??」という内容だったと思います。
ごめんなさい。

でも、
書きたかったんだよぉ〜う( ノω-、)

本城さんと亮さん!!

カンタンに説明しますと・・・

代官署の本城慎太郎が水谷豊さんのされていた役。
右京さんとは全く違った、軽いキャラで。それでも人望は厚くて、後輩や上司
からも信頼されています。昔逮捕した事のある人からも、好かれています。
茶化しつつも、大事な部分はしっかりキメる人だから・・・だと思います。
運動神経も抜群で、アクションもこなして、基本走りに走る人です(笑)。
大声だって出しちゃうし、感情表現豊かだし。

うん。

一度は会ってみたくなる刑事さんです。
とっても魅力的。



その、同じ代官署の刑事。藤村亮が寺脇さんのされていた役。
薫ちゃんより、ナンパな感じです。
基本スーツで、二枚目な感じのキャラです。とはいえ、寺脇さんなので、
抜くトコは抜いて軽く仕上げてこられるので、本城さんとはナイスコンビ!!
亮さんは恋多き男性でしたが、中々成就する事はなかったなぁ(苦笑)。
その点、美和子さんが居る薫ちゃんが、亮さんは羨ましいだろう。きっと。

”刑事辞めて、転職するなら?”の問いに、

 「俺、ホスト!」

と、答えて「あ、亮さん。似合う」と言われちゃう人です(笑)。
そうでなくとも、刑事になる前に色んな職業を渡り歩いていた・・・という、
異色刑事!!←その知識が役に立つ事も

本城さん同様、走って×走って、アクションもこなすタイプ。
そんでやっぱり、感情表現豊かでした。
本城さん大好きだし(人´∀`*).☆
署内で一番好きだったんじゃないかなぁ・・・と思っている。



そして、
実さんというのは、田中実さんが演じていた”真面目”を絵に描いたような
刑事さんで・・・なのに、恋愛ネタ多くハッピーな結末になる事が多かった。
でも、次々にそういう話になってるんだから、1つづつの恋は長続きしなか
ったのかもしれない。

カズさんは、彦麻呂さんが演じていた新米刑事さんで。愛嬌があって、先輩
にからかわれつつ愛されているキャラでした。
新米だけに失敗する事も多かったけど、その度。本城さんや他の先輩刑事
さんにフォローしてもらって成長していくのでした。

かなり、余談です。
すみません。



ドラマ『刑事貴族』は、私の中で永遠で・・・
本城さんと亮さんも、今でも現在進行形でいとおしくて。

もう、2人には会えないのだろうけれど。

だからこそ、ひっそり”まだまだ元気だぜ!”とこの場を借りてアピールして
みました。
ここに登場している、本城さんと亮さんは『刑事貴族』時代の年齢で書いて
います。
だから、ちょっと喧嘩っぱやい亮さんや、軽い感じの本城さんデス。

あのまま歳を重ねていってたら、どんな2人に会えるんだろう☆
やはり、
一度や二度は移動とかあって、何回目かの移動で再び本城さんと亮さんは
巡り会えるんだろうなぁ。
本城さんは、上に行かずに(行けずに?)現場の刑事を続けていそうだし。
亮さんも本城さんに憧れて、「刑事の仕事はどこに行っても同じ。だけど、
本城さんと一緒に働きたい!」って思って頑張っているだろうから。

そんでまた、上司の胃に穴を開ける位の騒動を起こしてしまうのだ☆



って・・・長くなりましたが。
『相棒』×『刑事貴族』コラボでした!!

さすがに、本人対決(?!)は避けました(爆)。

                                 2009.7.11 cometiki拝



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