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wowowドラマ『遠い日のゆくえ』に出演


2011.04.09up  ■ 追記 ■2011.04.30up



wowowのSPドラマ『遠い日のゆくえ』に、
寺脇さんが出演されました(* ゚ ▽ ゚ ノノ゛☆


お友達のKさんがお力を貸してくださって、
見ることができました。
ありがとうございますw





物語は…なんというか。
心臓をぐりぐり抉られるような感じでした。

人の死を通して、
生きることを語っているから…なのかなぁ。

心のひだの所をカリカリと掻いて、
じわりと痛みを残してゆくような。。

私にはこの物語、
とても痛かったです。

見ている途中。
「嗚呼…もっと全開で人を笑顔にしてあげたい」と、
何度も強くおもいました。

…そんな即効性の力を持っている訳では、
ないのだけれど。
それでも、やっぱり笑っていて欲しいなぁ、と。
泣きながら、おもいました。





寺脇さんは…
孤独死されたかたや、自殺で亡くなったかたの
住居等の清掃を請け負う、会社の社長役でした。

なんでしょう?
なんでしょう??

今までにない雰囲気の役でした。

現実主義(…っていうのは言い過ぎなんだろうか?)な
ところもあって、銭勘定もできる人←いい意味で
その上で、人のきもちを考えられる人だと思いました。



…本当に沢山の人の死と
関わっていかなければならないお仕事で。

「どこか感情を麻痺させてるんじゃ…」って
思っていたのですが。
終盤。
主人公に向って、お酒を勧めるシーンで
その思いが間違っていたことに気付きました。

多分。
彼の過去には人の死と、その後片付けについて
考えさせられるなにかがあったんだな、って。

自分の仕事にすごく誇りを持ってる人なんだな、って。

そう感じました。
(妄想ネタが生まれておりますので、
 また書けたら、この下にでも追記しますねw)



寺脇さんの表情も魅力的だったのですが、
今回は何故か指先に見惚れてしまいました。

寺脇さんは指も綺麗なのです!!
…いや。話がズレてる。

指先から溢れてる感情…みたいなの?
巧く表現できませんが、
それが、とても素敵だったのです(o≧∇≦)o゛



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■ 追記 ■ 2011.04.30up

妄想ネタが書けましたので、UPします。
ちょっとでも「嫌!」な気配を感じたら、
どうぞ『前のページ』へお戻りください。

ドラマのキャラクターを使用して書いておりますが、
本編とは全く関係ありません。
完全にcometikiの妄想オリジナルストーリーです。
ご容赦ください。


















































ヤツの過去に何があったのか、とか

ヤツが今。何をおもい感じ生きているのか、

俺には全くわからない―…





高校3年生。

進級と同時に受験戦争は早くも佳境に差し掛かる。
皆、自分のことしか考えなくなり、
空気も殺伐としてくる。

でも、
そうでないと希望の大学には入れないのだ。


 「高3という時間はどこへ?」


俺は基本。”その日よければ全てよし”だから、
一年先のことに(早い者はもっと早くから)必死になっている
クラスメイトの気が知れない。



例えば今日。

雨上がりの空がすっげーキレーだとか。
吹いてくる風の中に、夏の匂いが混ざり始めたこと。

気付いているヤツはいないだろう。



………勿体無い。



今、この瞬間だけのものなのに。





溜息を吐くと、担任に睨まれた。

自習中なんだからいいじゃないか。
心の中で舌を出す。


 「授業が終わったら、職員室へ来い」


思わぬ呼び出しに「バレたかな?」と瞼を落とす。
注意するなら今してくれればいいのに。





「は?!」と俺は職員室で間抜けな声を上げていた。
いや、そりゃ上げるよ。上げるでしょうよ。
この担任、何言ってんだ?


 「お前、仲良かったじゃないか?
  頼むよ。一度様子を見てきてくれ」


それは始業式に来て以来、登校拒否を始めた一人の男。

確かに2年生の時、よく話はしていたけれど、
”クラスメイト”の域は出なかった。
その証拠にヤツがどこに住んでいるのかも知らないし…


 「中央公園の傍に集合住宅があるだろう?そこのな…」


担任は丁寧に地図を描いてくれた。
迷いようもない程、立派な地図。

それを俺に手渡すと、「頼んだぞ」とサジを投げた。





 「小学生ん時は給食のパンとか、休みのヤツに届けたなー」


教師が頼み事をしやすい生徒なのかもしれん。と、
ぽくぽく歩きながら、自己分析。

学校から近いので、
それほど深く考える前に目的地到着。


チャイムに手を掛け考える。
”様子を見てきてくれ”って、
パンとかプリントとか何も口実ないんですけどっ?!

…嗚呼、そうか。

担任曰く”仲がいい”ってことだから、
そんなもの無用と判断されたのだろう。。

しかしっ!!

現実は顔見知り程度なのだから、
いきなり訪ねて来られて引かないか!?

………いっか。
担任を悪者にしてしまおう。
決定。



間を置いて2回押し、しばし様子を窺うも人の気配が無い。

なんだ。出掛けてるのか。

遊び歩くようなキャラじゃなかったから、
塾へでも行っているのかもしれない。



扉に背を向け、踏み出そうとした瞬間。
名前を呼ばれた気がして振り返る。

そこにはわずかに戸を開けて、
様子を窺うヤツの姿があった。

全く気配を感じなかったので、
若干焦ってことばが喉に張り付いた。


 「よ…よう…ひ…ひさ、しぶり」


手土産ひとつ無い俺を、
ヤツはそれでも招き入れてくれた。

薄暗い、薄暗い室内へ。

その所為だろうか?
ヤツの顔色が随分悪い気がするのは……?


リビングに通され、足が止まる。


床には包丁やカッターナイフ、はさみが転がっていて、
どれにもぬめっとした血液がついていたから―…


 「死にたいんだ」


ヤツは随分、乾いた口調でそう言った。


 「な…何言ってんだよ!俺達まだ高校生だぞ?!
  ハタチにもなってねーのに、そんな…」

 「でも、死にたいんだ」


そう言って包丁に手を伸ばそうとしたから、
思わず制した。

ヤツの左腕を掴んで、ギョッとする。
生乾きの血に塗れていたからだ。

…どれだけ傷つけたんだろう?という疑問と、
人間って簡単に死ねないんだな、という実感。


 「あのなあ!人間ってのは、いつか必ず死ぬんだから、
  生きられる内は生きとけっ!!」

 「でも…」

 「でもじゃねーよ!お前が俺をココに入れたんだからな!
  俺はお前の命に口出す権利がある!死ぬなっ!!」


自分でもよくわからない理論を捲くし立てて、頷く。
ヤツはへにゃっと不細工に笑ってみせた。



 なんだよコイツ。
 やっぱり生きたかったんじゃんか。



…なんて。
軽々しく思ったことを、俺は半年後。
激しく後悔することになる。






ヤツは時々、学校へ来るようになった。

けれど。
相変わらずクラスメイト達は自分のことに一生懸命で、
ヤツの存在を気にする者は居なかった。

イジメに遭うこともなかったし、
人間味に欠ける空間でも、
ヤツには丁度良かったのかもしれない。

俺は行きがかり上。
登校してくれば、それなりに話し掛けた。
相変わらずの距離感ではあったけれど。





冬服の学生服のクリーニング臭さが消えた頃。
ヤツはまた登校してこなくなった。

俺はなんとなく心配になり、ヤツの家を訪ねた。


 「死ねないんだ」

 「もうちょっと頑張れよ!高校卒業したら、
  楽しいことだって沢山あるって!!」


玄関先で延々と繰り返される、同じ台詞の応酬。

ただ俺は。
受験で行き詰ったんだろう、とか。
時間が経てば消えてなくなる気持ちなんだと思っていた。

それがどうだろう?


日増しに衰弱していって、
血のついている場所も腹や腕、
足などにも及んでいった。


 こいつ、本当に死ねないんだ―…





次の日。

俺はヤツに「もう来ない」と言うつもりだった。
悪いが俺の手には負えない。

チャイムを押してしばらく待つと、
小奇麗に整えたヤツが現れた。

「行きたい場所があるんだ」と、俺の手を引く。



帰宅し始めた人達の隙間を縫って、
ヤツはどんどん歩いた。
「死ねない」なんて言ってたのが信じられないくらいに。




少し古ぼけたビルの屋上は、埃っぽくて少し咽た。

ヤツは気にならないようで、深呼吸している。
そして、ゆっくりと屋上の縁へ進んでいった。

ここには安全柵というものが無かったから、
ヤツが何をしようとしているのか、わかった。

反射的に「ヤメロ!!」と叫んだが、
ゆらりと見返したヤツの目を見て口を噤んだ。


生きてゆくことに限界を感じている者の目。


もう何を言っても届きはしないだろう。
それに、これ以上ヤツを苦しめることはできないと…
だから俺は言ったんだ。


 「死んでいいよ」





パトカーや警官、刑事まで飛んできて、
俺に何度も経緯を説明させた。


 「ヤツは自殺したんです」


俺の無実は埃の積もった屋上の床が証明してくれた。

ヤツが飛降りて、警官が駆けつけるまで、
俺は一歩も動けなかったから……。

縁には、ヤツ一人分の足跡しかなくて。
俺がヤツを突き落としたことにはならないと判断された。

とはいえ。
容疑が晴れた訳ではなく、明日も話を聞く…とのことだった。






地上に降りると、既にヤツの身体はなくなっていた。
代わりに。
うす黒くなった血が、異様に地面を染めていた。


ガチャガチャと耳障りな金属音と共に、
「冗談じゃねーぜ、全く!」とイラついている男が現れた。
ガチャンと労いもなく道具を置くと、
洗剤を血の上へドバドバかけて棒擦りでこすり始めた。


 「死ぬのは勝手だけど、人様に迷惑かけんなっつーんだよ!」


吐き捨てて憎らしそうにヤツの血を消し去ってゆく。
でも、中々消えなくて。
また中年男はイラついて、洗剤をドバドバとかけた。



俺はそれを見ていて、涙が溢れた。



ヤツは望み通り死ねたけど、これで満足なんだろうか?と。

死ぬ間際に見せたヤツの笑顔は本当に綺麗だった。
それをこんなカタチで片付けられることが、
無性に悔しかった。


だがこの男にそれを説明しても詮無いことだ。
彼は完全に職務外のことをさせられているのだから。
腹も立つし、ここで死んだヤツのことを憎くも思うだろう。






ヤツの過去に何があったのか、とか。
ヤツが今。何をおもい感じ生きていたのか、
俺には全くわからなかったけれど。

何か。
お前の為に何か、俺が出来ることは無いだろうか?

”今更だ”と人に指をさされても、
俺の出来ることをこれから探してゆこうとおもう。

何年かかるかわからないけれど、
必ず見つけたいとおもうんだ。


                                ― 終幕 ―



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